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おさかなにっき

オクラもいろいろネクラもいろいろ

アナーキー・イン・ザ ・子供かわいい

アナーキー・イン・ザ・子供かわいい:“父親に成る

アナーキー・イン・ザ・子供かわいい:“父親に成る"ということ


著者の槙田雄司さんって芸人とか俳優とか歌うたってるマキタスポーツさんのこと。

TVはほとんど見ないから、ドラマやバラエティでの活躍は見てないのだけど、ラジオや雑誌の連載は前から好き。


前作の『1億総ツッコミ時代』も読んだ。


子育てエピソードをおもしろおかしく描いてるエッセイと、
インタビュアーの質問に答える対話の部分と、
小島慶子さんとの対談で構成されてる。


エッセイはほんと笑える。
セックスってなに?って聞かれたらどう答える?とか。
クリスマスのサンタ種明かしどうするとか、
親ならば誰もが直面する課題というか通過儀礼をとにかく楽しんでる。



個人的に共感するのが根本的な考え方。
解答を求めたり、自分の思った通りに何かを動かそうとすると、必ず変な悩みが生まれてくるし、その裏側にはものすごい煩悩がこびりついてるから(笑)
(中略)理想のママ像、パパ像みたいな架空のファンタジーの世界をモデルにして、『ウチもこうありたいのに現実は全く違う』ってなると、辛くなるだけだと思うんです。
結婚や子育てって大変。

わたしも一生一人で生きていける経済力があったら
結婚なんてしないのに〜って思った。
だって面倒くさいもん。


でも、した。
子供なんかいらんって本気で思ってたけど出来ちゃったから産んだ。


家族とか育児、それから自分自身についても
思い通りにならない面倒くさいことばかり。
2歳児なんてやって欲しくないことばかりやる。
私もイライラしたくないのにイライラする。

子供や自分に対してああしたい、ああなりたい、
思い通りにしたいっていう『煩悩』がつきまとうから辛いのであって、
ありのままを受けいれたらラクになる。


よく、しつけでは「怒る」と「叱る」の区別をつけましょうって言われてる。
自分の感情で怒っても、それはしつけの効果は無く
子供に恐怖心みたいなものばかり植え付けてしまう。
だから怒りは抑えましょう、
そして冷静に諭しましょうって話なんだけど。

著者はこれ出来なくてふつうに怒鳴り散らしちゃうことがあるんだって。
でもそういう自分を受け入れてるんだよね。
だから辛くない。


親が無理しちゃって辛いのは長期的に見たらよくないって思う。


失敗しちゃっても親が幸せじゃないとたぶん子供も幸せに出来ない気がする。


問題解決はしていきたいけど、
押し付けられた価値観にとらわれて、
ありのままの自分や子供を「ダメだ」って思って
力づくでどうにかしようとするときっと自分も子供も壊れちゃう。


子育て中、親が幸せでいられたらある程度ムチャクチャでも子供は幸せになれるんじゃないかな。


親は完璧な人格者じゃないもん。聖母マリアじゃないもん。親だって子供だもん。


私が子供なんかいらんって思ってた頃、義理の母との会話で、私はまだコドモだから育児なんてできませ〜んって言った時に義理の母に返された言葉。

「コドモは子育てをして大人になるのよ」

って。


自分の思い通りにならない生き物と共に生活していくことは、本当に修行なのだ。
大人って何なのかよくわからないけど、私は少なくとも以前のようにツマラナイことでふてくされたりすることは減り、周囲の人々がみんな楽しくやってるかなってことに自然と気にかけたりするようになった。
自分のことばっかり考えてるのはまだまだ相変わらずだけど、
ちょっとは成長してるっぽい。


最後の小島慶子さんとの対談。

これがまた、育児あるある話のオンパレードで、
ああ私もこの2人の会話に加わりたいって思うくらい。

小島慶子さんが自分に似てる長男に対して、次男よりも厳しくあたってしまうことについての話は読んでて辛くなった。

小島さんは、子供の頃から母親からの価値観の押しつけとかあって、その価値観に当てはまらない自分のことが昔から大嫌いだったらしい。

でもそういう自己嫌悪的なことや、母親についても許してるはずなのに、小さい自分に似ている長男に「ダメダメ〜」ってなってしまう。
そういうことが絶対にしないって決めてたのにって。
そこまでちゃんと分かっていても!?って驚いて泣いた。


自分と子どもは地続きになんか絶対するまいって思ってたのに、知らずにね、自分自身の内側に引きずりこまれて、それを子供にぶつけてしまうこともあるんだなって。


私もそういう問題に直面する時が来るかもしれないけど、小島さんが長男くんに正直に話したように私も話して素直に謝ろうって思った。




ああもう他にもたくさん書ききれないくらい読みどころあった!!!

対談の最後は2人にとって育児とは何かっていう話で締めくくっているのだけど、
2人の言葉はすとんと心に入ってきた。

ああ読んでよかった。
この本は私の心の親友だって思った。